クローゼットの扉に無垢のタモやヒバを

2011.08.27

ヒバは針葉樹なので、木の表面がきめ細かく、繊細な年輪模様は和風の雰囲気に合う。広葉樹のタモの木目柄は華やかなので、洋風の家に合う。無垢の木の建具は少しぜいたくかもしれないが本物だけが持つ気品が漂っている。自然素材である無垢の木を住まいにできるだけ使っていきたいというのは、素材の安全性や、家の格を高めるという点からも、素朴で率直な感情である。住宅メーカーは「無垢の木や無垢の扉は、伸び縮みがあって狂うことがありますよ」と言い、プリント合板や木くずを接着剤で固めたパーティクルボードを勧めるが日本心では無垢材のほうが良いと分かっているのだ。打ち合わせの中で、メーカーはしばしば「費用を多く出していただければ、無垢にできます」と言う。例えば、柱は現在ほとんどが集成材だが、「別途に負担をしていただければ、ヒノキの無垢の柱にできます」という調子である。また、システムキッチンの価格は扉によって左右されるが、無垢の扉が一番高価であることからみても、やはり無垢の木、無垢の扉がいいものであり理想のものであることは、誰もが認めるところなのである。だからといって、私が設計する場合でも、建築費との関係で、全ての扉や建具を無垢材にしているわけではない。やはり無垢の建具は、フラッシュの建具よりどうしても高くなり、標準仕様に入りにくいものである。だから希望としては、せめて居間などの主たった部屋の入り口には、無垢の扉を使いたい。玄関の靴入れや寝室のクローゼットの扉も同じようにすれば、さらによい。